除籍の全部事項証明書(ぜんぶじこうしょうめいしょ)とは、
一言で言えば、
役所で発行してもらえる横書きの「除籍」の写しのことです。

役所内で保管されている「除籍」には、
縦書きの様式で作られている「除籍」と、
横書きの様式で作られている「除籍」があります。

基本的に、縦書きの様式のものは古い「除籍」で、
コンピューターの無い時代に、
紙ベースで作られた「除籍」です。

逆に、横書きの様式で作られている「除籍」は、
最近作られた「除籍」で、
コンピューターを使用して作られた「除籍」となります。

そして、除籍の全部事項証明書というのは、
横書きの様式でコンピューターを使用して作られた「除籍」の写しのことです。

ただ、コンピュータを使用して作られた「除籍」の写しであっても、
「除籍」に記載されている全部の写しと、
「除籍」に記載されている一部の写しとでは違いがあります。

「除籍」に記載されている全部の写しが、
除籍の全部事項証明書で、
「除籍」に記載されている一部の写しについては、
除籍の個人事項証明書となります。

また、除籍の全部事項証明書を取れる場所は、
取りたい「除籍」の本籍地の市区町村の役所です。

具体的には、本籍地の地域の市役所又は区役所、
もしくは、町村役場の戸籍取得の係りが窓口となります。

もし、取りたい「除籍」の本籍地がわからなければ、
除籍の全部事項証明書を取れる役所が、
特定できないということになります。

また、本籍地の市区町村の役所の窓口に行けない場合には、
郵送で除籍の全部事項証明書を取り寄せることも可能です。

しかし、役所の窓口に行って直接取る場合と、
郵送で取り寄せる場合とでは、
取得のための手続き書類が若干違います。

除籍の全部事項証明書を役所の窓口で直接取る場合には、
少なくとも下記の書類が必要となります。

・ 役所が用意している戸籍謄本等の交付請求書

・ 本人確認のできる身分証

・ 手数料分の現金

・ 自分が載っていない除籍の全部事項証明書については、
その除籍に載っている人が、自分の直系にあたる人であることのわかる戸籍のコピー等

また、除籍の全部事項証明書を郵送で取り寄せる場合には、
少なくとも下記の書類が必要となります。

・ 役所が用意している戸籍謄本等の交付請求書

・ 本人確認のできる身分証のコピー

・ 手数料分の定額小為替(郵便局で購入できます)

・ 自分が載っていない除籍の全部事項証明書については、
その除籍に載っている人が、自分の直系にあたる人であることのわかる戸籍のコピー等

・ 返送用の封筒(自分の住所を記載して切手も貼っておくこと)

なお、除籍の全部事項証明書の発行手数料は、
役所の窓口で直接取る場合も、
郵送で取り寄せる場合も1通につき750円で同じです。

ただし、郵送で除籍の全部事項証明書を取り寄せる場合、
役所に支払う手数料は、
定額小為替で支払うことになっているので注意が必要です。

ちなみに、亡くなった人の遺産を相続する手続きでは、
亡くなった人の出生から亡くなるまでの全ての除籍謄本等が、
相続人全員を確定するためにかならず必要となります。

亡くなった人のすべての除籍謄本等には、
縦書き様式の除籍謄本だけでなく、
横書き様式の除籍の全部事項証明書も含まれます。

つまり、亡くなった人のすべての除籍謄本等というのは、
亡くなった人の全ての除籍謄本と、
全ての除籍の全部事項証明書ということです。

なぜ、相続で必要かと言うと、除籍謄本や除籍の全部事項証明書には、
役所が発行した年月日と、市区町村の印が押されていますので、
公的な証明書となるからです。

ただ、20年以上前に亡くなっている人の場合は、
コンピューター化後の横書き様式の「除籍」は無い可能性が高いので、
縦書き様式の除籍謄本がすべて必要ということになります。

なお、除籍の全部事項証明書かどうかについては、
横書き様式なのかどうかでも判断できますが、
書面の末尾の部分を確認することでもわかります。

除籍の全部事項証明書の末尾には、
「これは、除籍に記録されている事項の全部を証明した書面である。」
という記載があるからです。

逆に言えば、
「これは、除籍に記録されている事項の全部を証明した書面である。」
という記載が末尾になければ、除籍の全部事項証明書ではありません。

ただし、間違えやすいのが、
「これは、除籍に記録されている事項の一部を証明した書面である。」
という記載が末尾にあることがあります。

「・・・・一部を証明した書面・・・」という記載が末尾にあるのは、
「除籍」に記載されている一部の写しのことで、
除籍の個人事項証明書ということになるので注意が必要です。

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