筆頭者(ひっとうしゃ)とは、
戸籍の中にいる人の代表者で、
戸籍の最初に表示されている人のことです。
現在の戸籍は1組の夫婦と、
その子供(未婚)の家族単位で構成されおり、
戸籍ごとに本籍と筆頭者の氏名が記載されています。
通常、夫婦の内、夫が戸籍の筆頭者になるのですが、
稀に妻が筆頭者になることもあります。
筆頭者については、結婚して夫婦2人の戸籍を作る時に、
夫婦でどちらが筆頭者になるのか決めることになりますが、
結婚後は、筆頭者になった方の氏を名乗ることになっているのです。
つまり、夫が筆頭者であれば、
その戸籍の中にいる家族全員が、
夫の氏を名乗ることになります。
逆に、妻が筆頭者であれば、
その戸籍の中にいる家族全員が、
妻の氏(旧姓)を名乗ることになるのです。
なお、戸籍の中に「筆頭者 誰々」という記載があるわけではなく、
戸籍の先頭部分に、
「本籍 ・・・・」と「氏名・・・・」が記載されています。
つまり、戸籍の先頭部分に「本籍 ・・・・」、
「氏名 ・・・・」と記載されている人が、
その戸籍の筆頭者ということになるのです。
また、戸籍の筆頭者が亡くなったとしても、
筆頭者が他の誰かに変わることはありません。
戸籍の筆頭者が、離婚や転籍によって戸籍を出た時も同じで、
一度筆頭者になった人は、
その先、戸籍が閉鎖されてもずっとその戸籍の筆頭者のままです。
なぜなら、役所が戸籍を探す時には、
戸籍の本籍地と筆頭者で検索して探しているため、
戸籍の筆頭者がころころ変わると複雑になってしまうからです。
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また、よく間違えやすいのが、
筆頭者は世帯主のことではないかと考えてしまうことです。
たしかに、筆頭者も世帯主も、
代表者という意味では同じかもしれません。
しかし、世帯主というのは、同じ家に住み、
生計も同じ人達が集まっている世帯の代表者のことです。
そして、一般的によく知られている住民票は、
住居と生計が同じ人の集まりごとに作成されており、
その代表者が世帯主として登録されています。
たとえば、親、子、孫の3世代が一緒に住んでいて、
生計も同じ場合、
世帯主は親の時もあれば、子の時もあります。
しかし、戸籍の筆頭者については、
親の戸籍と、婚姻している子は別々の戸籍となり、
それぞれの戸籍に筆頭者がいるわけです。
また、夫婦とその子供のみの家族の場合でも、
住民票の世帯主は夫で、
戸籍の筆頭者は妻になっていることもあります。
逆に、住民票の世帯主が妻で、
戸籍の筆頭者は夫になっていることもあるということです。
つまり、戸籍の筆頭者と、
住民票の世帯主は、
まったくの別物ということです。
そのため、戸籍の筆頭者を調べる時に、
世帯主が誰なのか考えるのはあまり意味のないことになります。
しかし、戸籍の筆頭者を調べる方法の1つに、
住民票で確認するという方法もあります。
なぜなら、住民票を取得する時に、
その人の「戸籍の本籍と筆頭者入り」での発行を希望すれば、
その人の戸籍の本籍地と筆頭者も住民票に記載されるからです。
つまり、戸籍の筆頭者がわからない場合には、
その人の住民票を取れば、
その人の戸籍の筆頭者が誰なのかがわかるということです。
さらに、戸籍の筆頭者と、世帯主の両方を知りたい場合にも、
住民票を取ればどちらもわかることになります。
ただし、「戸籍の本籍と筆頭者入り」で、
住民票の発行を希望しなければ、
戸籍の筆頭者の記載のない住民票が発行されてしまいます。
ちなみに、戸籍の筆頭者というのは、
昭和23年頃から今までに作られた戸籍の代表者のことで、
それ以前に作られた古い戸籍では、戸主(こしゅ)と呼ばれています。
そのため、筆頭者も戸主も、
戸籍の代表者という意味では同じで、
違いは、昭和23年頃よりも前の戸籍か後の戸籍かの違いです。
戸主についてと、戸主と筆頭者の違いについては、
戸主とは?戸主と筆頭者の違い のページで、
わかりやすくご説明しています。
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